観雀堂日録

炎天下 痩せた雀が 低く飛ぶ

インディーゲーム「未解決事件は終わらせないといけないから」の感想

「未解決事件は終わらせないといけないから」は韓国で作成されたインディーゲームである。自分がプレイしたのはSwitch版である。 

「未解決〜」はアドベンチャーゲームであり、ゲームを楽しむ上でストーリーが決定的な意味を持つ。そのため、ストーリーの感想が述べてあるこのブログを読むと、事実上この作品をプレイできなくなる。これからプレイしたい人は読まないでほしい。

さて、、、

 

よくできた話だ。

自分は最初のうち、事件の全容が全く掴めなかった。犀華(せいか)ちゃんが無事なのかも分からず、死亡したのかな、生きてるのかなといった具合だった。

どこかのネット記事で「事務作業をゲーム化した感じ」と言われていたが、確かに「オブラディン号の帰還」なんかと似ているかもしれない。ただし、プレイしているときはそんなことまで考えなかった。むしろ、プログラミングみたいだと思った。デバッグをしているような感覚なのだ。自分は警官の質問と関係者の回答を見て、話の応答が自然になるように会話の順序を並び替えることを中心にパズルを進めた。

一番難しかったのは、母を疑う理由を見つけるところだ。いわゆる(しらみ)潰しをやりたくなくて、考えながら探したのだが、3つ見つけねばならない理由のうち、自分で見つけたのは「子供が母と呼んでくれない」という一つだけだった。

あとは順番に調べていって、答えにヒットしても、なぜそれが母を疑う根拠足り得るのかが良く分からなかった。

UIは、使い方さえ理解できれば、問題ない。応答が遅いといったこともなく、使いやすい。

結局、事件は未解決だったのではなく、解決していて、ただ形式上未解決にしておいただけだった。

エンディングで表示される作者コメントと作品の内容を照らし合わせて考えるに、この作品の眼目は、「嘘を付く人は多いが、悪い人はいない」という点にある。優しさがこの作品の主題である。

ただ、プレイした感想としては、割と重い気持ちである。

あと、人はこのゲームを3時間ぐらいでクリアするらしいが、自分は5時間は優にかかったと思う。別に急ぐ必要はないので、それだけゲームを楽しめたと考えると、むしろ得をしたのかもしれないが、みんな解くの速いなぁとは思った。

playism.com