祈る者はいない祀る者もいないそれなのに行列だけは今も続いている大きなお面を被った仮装の行列最上階から降りてきた行列が行き過ぎる「今、行列をやめてしまうと、存在の残影だけが残ってしまうのです」隣のおじさんが、問わず語りに教えてくれた。
自分はバッグを前に抱えており、誰かもやはり前にバッグを抱えていて、電車が揺れるたびに、そのバッグが自分のバッグに当たってくる。電車は混んでいた。東海道線は停まる駅が少ないので、品川を出たあとは、少なくとも川崎駅まではこのままなのである。皆…
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