野狐消暇録

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「Sea of stars」の感想

■ 一番強い印象として

ストーリーがいいよね。ゲーム自身もまぁまぁ面白い。全然遊べる。

だが、何よりこのゲームはストーリーがいい。

謎の書斎で椅子に座り、プレイヤーに背中を向けながら物語を語る場面の語り口もいいし、歴史家の少女がキャンプで語る物語も面白い。

もちろん、メインのストーリーも意外な展開の連続で、なんとなく話が見えているゼルダの伝説ティアーズオブキングダムをプレイした直後だったから、ますます物語の面白さが印象的だった。

■ 登場人物の人柄

なんか、話し方や考え方、冗談の言い方が、全然日本人っぽくないんだよね。外国人の若者みたいだなと思った。多分、このゲームは外国で作っていて、もしかすると脚本を書いたのも外国人なのかもしれない。友達に「最高だよ」とか、日本人ってあんまり言わないじゃないですか。なんかそのノリが新鮮だった。あと、割と深刻な外傷を友人が負うのですが、そういう重い話を明るさで乗り越えるという感じも、なんとなく外人だなぁと感じた。フィールドマップは、プレイしたことないけど、なんとなくクロノトリガーっぽいし、キャラクターの走り回る様子は、SFC聖剣伝説2みたいな感じだし、日本のPRGの影響を受けたって言われるとそうなのかなとは思う。しかし、だからこそ、脚本と主人公たちのキャラクターに日本のRPGには無い独自の強さと魅力があることが際立ってくる。この魅力がこのゲームを引っ張っていっていると思う。

■ 難易度

優しい部類かなと思う。レベルの概念があるので、多分勝てなかったらレベルを上げて倒すということもできるんだと思うが、レベル上げは不要だと思う。まだゲームの中盤なので、今後は分からないが。

回復アイテムを自分で作るのだが、これが不足しがちで、一度ダンジョンに入ると戻れなかったりもするので、回復アイテム不足で微妙に追い詰められる。

だが、基本的には、ボス戦を初見で勝てることがまぁまぁある、といえば、難易度が低いことは分かってもらえると思う。

■ モーション

ピクセルアートのゲームは好きで、KANATA ZERO とか、そういうゲームについ注目してしまうので、このゲームもその辺を見てしまったのだが、ピクセルアート好きとしては、もうひとモーション欲しい、という気がした。一枚絵はたくさんあるが、アニメーションしてほしいというか、ぬるぬる動いて欲しいと思ってしまう。まぁ、高望みかもしれない。でも、キャラクターのリアクションはファイナルファンタジー5あたりを彷彿とさせて、慣れるとこれはこれで良さがある。あれも、アニメーションなんてしてなかったしな。

ちなみに語尾が「モグ」の人々が登場するが、これはオマージュなのか?

■ まとめ

まだゲーム中盤なので今後が楽しみ。一気にプレイせず、ちょこちょこやりたい。味わってプレイしたいね、物語も優れていることだし。

■ クリア後の追記

最後の方飽きてしまったな、という感じである。なんか、テンションの高い感想を👆で書いてしまったが、そのテンションが自分の場合続かなかったな。

■ 飽きた理由

〇 戦闘に上達できない

ゲームプレイを通して、徐々に戦闘に上達していくのだが、最後の方に近づくにつれ、自分の上達が自分なりに極まってきた。ゲームというのは、徐々に上達するものなので、これ自身は当たり前のことである。

だが、極まってきたということは、戦闘にこれ以上の工夫が見つからなくなってきたという事でもあるのである。多分、他のプレイヤーのプレイを見れば、もっといいやり方が分かったりするのかもしれない。しかし、このゲームのボスは弱い。初対決で勝ててしまう。初見はギミックが分からなくて殺されるのがお約束なのに、勝ててしまう。

それでも、ボス戦は楽しかった。

〇 通常プレイ部分に変化が無くなった

マップギミックが増えなくなった。なんとなく、いつものギミックの繰り返し、と思ってしまった。で、面白さを感じない。

〇 ストーリーが俺の理解を超えた

しっかりした世界観があるのはいいけれど、そもそも架空の世界なのだから、日常の知識の延長線上でぱっと理解できるものではない。そして、登場人物がそこそこ多い。急に名前を出されても、「この人ってなんの人だっけ?」となってしまう。つまり、ラストに近づくに連れ、目の前で展開されているドラマを全然理解できなくなってしまった。「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム」に人物名鑑という機能があって、主要な登場人物の説明が読めるようになっていた。小説なんかでも、巻頭に登場人物の簡単な説明が載っていることがあるが、要はそういうことである。登場人物を忘れるんである。

で、挙句の果てに

「なんかドラマがあるな。話は分からんが主人公たちと敵がやりあっている」

「ん、戦闘になったぞ」

「ああ、こいつに勝てばいいのか?」

みたいな、やる気のない傭兵みたいなスタンスになってしまった。

■ クリア後の感想まとめ

中盤あたりまでが一番面白い。あのあたりで終われば良かったんじゃないかと思う。

そこからさらに続くなら、プレイヤーにさらなる成長を要求するような、新たなゲームが欲しい。

そんな感想なので、真・エンドまではやらん。俺はPatrick's Paraboxをやるんだ!