観雀堂日録

炎天下 痩せた雀が 低く飛ぶ

太陽光パネル設置工事①

朝早くから彼らは来た。

朝の八時過ぎに玄関のインターホンが鳴った。階段を降りて玄関に向かい、家の入口の扉を開くと、トラックが一台停まっていた。トラックの荷台には鉄の棒がたくさん積んであった。

「お早うございます」

と、自分は声を張って言った。

作業員と思しき男が向こうで返事をしたが良く聞き取れなかった。しかし、作業に来たことはすぐに分かった。挨拶を交わして扉を閉める。それから、外から家の中をみられると嫌なので、自室の窓にカーテンを引いた。

家でリモートワークで働いていると妻も起きてきて、家中の窓を閉めたりしてくれた。

工事が始まったらしく、家の外がうるさくなった。カンカンと何かを叩いたり、あっちをどうしろとか、指示をしているらしい声が聞こえる。ところどころ、日本語ではない外国語で話す声もする。外国人の作業員もいるらしい。建設現場の作業員は、今は外国人が多いのかもしれない。

工事の音は大きい。どうもかなわない。うるさいなぁと思うが、何しろ自分で頼んだ工事だから、文句を言うのはおかしい。

11時過ぎにインターホンが鳴った。まだ工事が終わるはずはないから、何か荷物が届いたのだろうと思い、玄関に出た。すると、今朝方挨拶をした作業員のリーダーと思しき人である。

話すと終わったらしい。

「完了?」

思わず聞くと、

「完了です」

とのことであった。

それで挨拶をして彼らは帰っていった。帰る前に、隣の家にも声をかけていったらしい。多分、工事がうるさいから、「終わりました」ぐらい言って帰るのだろう。今思い出すと、何か飲み物などの手土産を渡しても良かったが、その時は思いつかなかった。

僅か三時間あまりであった。彼らはあっという間に、足場を組み上げて帰っていった。帰るときにも、トラックの荷台には鉄の棒が積んであった。もちろん来たときよりは減っていたが、全部は使わなかったらしい。

妻に頼んで、足場の写真を撮ってもらった。別にそれを見て、何がどうということはないが、ともかく記念にはなる。