観雀堂日録

炎天下 痩せた雀が 低く飛ぶ

インディーゲーム「和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE」の感想

最初はあまり面白くないと思った。

■ 理由

ゲームとしての勝ち負けが殆どない。時間切れで主人公が死んだりしないし、謎が解けなくて何時間も悩むこともない。いわゆるゲーム性ってやつがないのだ。それでなんだかなと思った。

■ どんなゲームか

プレイヤーは和階堂となり、発生した事件を解決する。ゲームは幾つかの場所を巡り、関係者に話を聞きながら、情報を集めていく。情報がある程度集まったら、推理シーンとなり、情報を整理しながら、真相に迫る。

これを4、5回繰り返したあと、事件の犯人を当てるシーンとなる。ここでプレイヤーは推理力を発揮して犯人を当てる、という流れだ。

それで4、5回訪れる推理シーンだが、選択肢を外しても、考え直して何度か選べばそのうち当たるし、最後の犯人を当てるシーン以外はそもそもそんなに難しい問いが出ない。問いも優しいし選択肢も少ないし、外してもやり直しになるだけでペナルティはない。

やたら難しくても困るが、ストーリーを追う以外にそんなにやることがないのだ。

その代わり、ストーリーは凝っており、しかも犯人はなかなか分からない。

■ ストーリーの良さ

冒頭に、「ゲーム性がなくてつまらない」と書いたが、逆に言うと、ストーリーは途中から面白いと思うようになった。「Night in the Woods」なんかに近いといえば近いが、あっちはあっちでミニゲームやるのがだるくなった気がするので、こういうストーリーが面白いゲームって、むしろゲームやらせないほうが良いのかもしれん。

最初はゲームをやるつもりで買ったから、操作させられてる感が強くてつまらなかったが、ストーリーに引き込まれて、ストーリーを読むためにプレイし始めてからは、普通に面白かった。

これは要するに、楽しみ方が掴めるまで時間がかかったってことなのだろうか。

この和階堂真をやる前に「未解決事件は終わらせないといけないから」をやったのだが、あっちは自分で謎を解いた感じがある。こっちは、推理小説を読んだ感じで、謎を解いた感じは特にしないが、これはこれで満足感はある。

下手に変なミニゲーム突っ込んであるよりはこれで良かったのか。

■ アートワーク

ピクセルアートは雰囲気と合ってて良かった。表紙になってる一枚絵のボクセルも良い。