野狐消暇録

所感を記す

人が平等でありかつ不平等であるゆえに助け合うのである。

同じ人間であると考えるから助けあう事ができるのである。

男女だから、大人と子供だから、お金持ちと貧乏人だから、色々な理由で人間を隔てていては、助け合うことはできないのである。

しかしまた、人が置かれている立場、境遇や、できる仕事、能力、年齢、国籍、話す言語などがそれぞれ違うから、助け合うことができるのである。得意を生かし、人を助けることがあるのである。

だから、まずは、人を隔てる観念上の仕切りを無くし、また同時に、相手の境遇や心情に同情するのでなければ、協力ということは生まれないし、できないのである。

 そう考えると、助け合うというのは一見、不思議なことのようにも考えられる。

「人がそれぞれ違う」事と「しかしまた同じである」事を同時に認めなければ、助け合うということはできないからである。

しかしその実、助け合うというのは優しいことである。

親切を受け取り、自分にできることをしたら、それで助け合いになるのである。

何もできないということはない。何かできる。

それでも何もできないという人は、受け取ることである。

受け取ることもまた、協力の一面であり、大切なことなのである。