野狐消暇録

所感を記す

満員電車

自分はバッグを前に抱えており、誰かもやはり前にバッグを抱えていて、電車が揺れるたびに、そのバッグが自分のバッグに当たってくる。
電車は混んでいた。東海道線は停まる駅が少ないので、品川を出たあとは、少なくとも川崎駅まではこのままなのである。
皆これだけ混んでいるというのに、スマートフォンを見る事を諦めない。今も一人の青年が、期間限定公開の「AKIRA」をYouTubeで観ている。電車の音が気にならないのか、ワイヤレスイヤホンを付けて音を聞きながら、画面を観ている。
自分は行き先を示す車内電光掲示板を見る。このまましばらく待てば川崎駅に着く。そうしたら降りる事ができる。