野狐消暇録

所感を記す

妻の退院

妻が退院できそうなので詩を書いた。

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砕け散った珠が元に戻るなんて
誰が想像しただろう
飛び散った破片がまばらに草の生える地面に消えて、もう見つからないというのに

与えられた秩序は
草に浮かぶ水滴のようで
糊で繋ぎ合わせたものではない

喜びに満ちて珠は輝き
再生とはまさにこのこと

雲間から日が差して
闇に沈んでいた大地に
新しい色彩をもたらす