野狐消暇録

所感を記す

表現形式と表現内容

音楽と一口に言っても、様々な音楽がある。だから、音楽が好きと言っても、Jazzが好きな人もいれば、クラシックが好きな人もいる。

人の好き嫌いを知るには、音楽や絵画といったジャンルのどれが好きかを聞くのではなく、どんな音楽が好きか、どんな絵画が好きかを聞いた方が良い。

Jazzが好きな人なら、服もお洒落な服を着ていそうだし、ヒップホップが好きな人は、ヒップホップ系のファッションをしていそうに思う。

要するに、自分の好きな世界観や生き方が、音楽や絵画やイラスト、ファッションに表れているのであって、ジャンルは表現の形式に過ぎない。

とはいえ、表現の形式に表現内容が表れている事もまた、自然な事ではある。和歌が五七五七七で、俳句が五七五なのは、なんとなく納得がいく。和歌で普通表現されるような世界は、五七五ではちょっと短いのかもしれない。しかし、それも一応の事であって、日本人が漢詩を作ると、やっぱり中国人の作った詩とは違ってくる。形式が同じであっても、内容によって感じが変わってくるのである。

自分で何かの創作をするときに気を付けるべきことは、まさにそこだろう。漢詩だから、という理由で、中国人の詩の真似をしてはならないのである。飽くまで、自分で詩を書かねばならない。現代の詩はこんな感じだ、というのも指標にはならない。

なんでも創作というのはそうで、その世界のやり方というのはあるにしろ、表現内容というのは自由であり、自由に自分で作るのが一番良いのである。

それが、のびのびとした創作なのである。