観雀堂日録

炎天下 痩せた雀が 低く飛ぶ

マンゴーを貰う

それはラグビーボールのような楕円型であった。マンゴーは軽量のプラスチックで出来た網に包まれて、計六個あった。これは妻の商売で付き合いのある業者から贈られたもので、自分で買ったものではない。それで食べ方が分からない。食べた経験がないからだ。妻はお返しをどうするか考えていたが、自分は食べ方が分からず悩んでいた。

マンゴーは軽量プラスチックの網に包んであった

マンゴーそのものは食べたことがある。ヨーグルトの中に入っていたり、フルーツタルトに乗っていたりした。ただ、大抵サイコロ状に切られていて、もう元の形は分からなくなっていた。

インターネットで調べてみたが、要するに包丁で切り分けて食べるのであった。

網から出したところ

真ん中に種があるということで、ズバッと中心に包丁を入れるのではなく、少し脇に差し込むように包丁を入れた。

()は硬さがなく、ゆるゆるであった。熟し過ぎた桃のようだ。汁が垂れてくるので、切り分けるそばから食べ始めた。皮は薄くて、少し包丁を入れるともう果肉になる。これを食べるとともかく甘い。マンゴーの味がして「ああ、マンゴーだ」と思った。

包丁で皮を引き剥がしながら食べ進み、食べられる所は皆食べた。これはうまい。さっさと食べるんだった。食べ方を知らないばかりに、億劫で何日か冷蔵庫に放置してしまった。まぁ、こうして食べ方も分かったし、また食べよう。妻にも教えてあげよう。

まな板の上に食べ散らかした皮を放ったまま、自分は満足した。