野狐消暇録

所感を記す

夜明け前

自転車のサドルから
雀が飛び立つ
新聞配達のバイクが
低く唸る

虎は林に眠り
学生は机に寝る

日はまだ昇らないが
夜明けが迫っている

側溝を流れる雨水が
ささやくように歌う

地球の回転が我々を
太陽に会わせようとする

カーテンを閉じて明日を拒み
ベッドでうとうとする