野狐消暇録

所感を記す

観覧車

観覧車に乗ったら、ロマンチックな気持ちになるのではないか、と妻は考えていたそうである。実のところ、自分もロマンチックとまではいかないでも、観覧車は楽しい乗り物だと思っていた。

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横浜コスモワールドの大観覧車「コスモクロック21

それがどうだろうか、乗ってみてすぐに怖くなった。何しろ、観覧車の人が乗る部分は、上から吊られているのである。これが怖い。足の下には何の支えもないのだ。妻も怖くなったようで、設置されていたタブレット端末を触って、「これを見ていれば怖くないはず。これを見よう」と、早くも怖さを紛らわせる方法を探してきた。

それでちょっとタブレットを触ったのだが、せっかく乗ったのに勿体ないという気がして、景色を眺めてみた。実際、観覧車というのは、中で何もすることがなくて、外の景色でも見るしかないのだ。しかし、ずっと怖い。

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眼下の景色を眺める。

やっと下に降りてくると、心からほっとした。こんなに観覧車が怖いとは思わなかった。妻は「二度と乗らない」と云った。僕も賛成だ。もう乗らなくていいだろう。

こんな怖い乗り物にわざわざお金を払って乗るなんて、どうにも意味が分からないことである。