ある方の紹介で、株式会社フレクトのLT大会に行く機会がありましたので、参加記を書いてみます。
株式会社フレクトとは?
Iotに積極的に取り組み、Iotを実際にビジネスとして成功させている、という事のようです。
3/15(水)の夕方、会場であるフレクト社さんのオフィスに着くと、スタッフの方が迎えてくれました。LTは社員の方がされたのですが、皆さん若いです。
最初に話をされた、代表取締役の方からして、30代ぐらい?でした。
代表の方の発表
自分なりに要約すると、以下のような話でした。
■ なぜ今IoTか?
IoTは最近話題になっているが、技術的には古くからあり、建設機械に端末を付ける有名な事例も、始まったのは15年前で、最近とはいえない。
ではなぜ今ムーブメントが起きているかというと、要素技術がコモディティ化し、調達するための値段も安くなっている。つまり、参入しやすいし、ビジネスになりやすい環境が整ってきている。ラズパイなどに見られるような、センサー端末の話だけではなく、実はネットワークも使いやすくなっている。他にも、クラウドが広まり、スモールスタートしやすいという事もある。クラウドは最近のIoTでは、当然の前提となっている。
■ IoTの特徴
技術的に横断的、複合的である。
組み込み機器 → ネットワーク → サーバ → ブラウザ
アプリだけでなく、ハードも絡む。フレクト社では、外部に発注してハードを作ってもらう事がある。今はそういう事ができてしまう。ここも、ハードルが下がっているところである。
■ IoTビジネス
単に端末を設置してデータを収集しただけでは、ビジネスにならない。どうやって、価値を生み出すか、考える必要がある。例えば、弊社で事業化しているCariotでは、車の走行データを収集し、ブラウザで閲覧できる。このことにより、運転が荒い人がだれか、すぐに分かる。データに基づいて運転の指導ができるので、効果的な指導が可能になる。これは実際に効果が上がっている。
つまり、ちゃんとビジネスとして意味のある形を作る事が大切で、IoTを通して、人、モノ、コトを繋ぎ、最終的に価値を生んでいく事を目指している。
■ エンジニアに向けて
IoTは非常に多くの技術を使う、複合的な分野だ。ひとつの技術を突き詰めるのではなく、隣の技術に触れてみてほしい。複数の分野に跨る事で、強みを持つ事ができると思う。
ここでちょっとピザとビールを頂いて、さらに社員の方のLTに続きます。
■ Publish & Subscribe型のサーバ
たくさんのセンサー端末からデータが1秒単位に送信されてくるとき、大量のデータを処理するサーバが必要になる。ここでは、Publish & Subscribe型のサーバを紹介する。
このタイプのサーバは、データストリームを処理するためのサーバである。トピックと呼ばれる、データの一時格納箇所にデータが溜められ、溜められたデータを購読側のプログラムが取りに行く。トピックにデータを溜める事により、次々に来るデータを一旦トピックで堰き止め、後からバッチ処理のタイミングでガサっと取ってくる、という事ができる。普通のサーバよりレイヤーが細かく分かれるので、データが少ないなどの理由で処理が易しい場合は、無駄に大袈裟な構成になってしまう事もある。データによっては、普通にサーバを立てても処理できてしまうから。
Publish & Subscribe型のサーバでは、トピックを境にプログラムが綺麗に分かれるので、トピックの前後で使用するプログラム言語を分けても問題ない。また、トピックの先のプログラムにバグがあり、データを壊してしまったとしても、中間データがトピックに残っているので、そこからデータを取って、もう一度処理を流せば、簡単に復旧できるということもある。
■ スフィンクス
ドキュメントをMS社のOfficeで書いていたが、どんどん増えてきて、収拾がつかなくなってしまった。そこで、マークダウンで書けるスィンクスというドキュメントツールを使う事にした。このツールの利点は、一度書くと、そこからPDF、HTMLなど、さまざな形式のドキュメントが自動生成できる事にある。お客様向けのドキュメントと、開発者向けのドキュメントのリポジトリを分けて管理している。
どんなにドキュメントが膨らんでも、閲覧するときは、ひとつのWebサイトとして見える。
■ AWSでテスト用のモックを作る。
AWSの機能を使って、GUIでテスト用のモックを作れる。あるURLにアクセスすると、仕込んでおいた結果を返すなどができる。戻り値はJSONなどが使える。GUIの操作でこの機能を使う事ができるが、プログラミングもできる。HTTPステータスコードも指定できるので、エラーのテストもできる。とても便利。
■ IoT苦労話
- センサー端末を開発しようとしたら、マニュアルに載っていないエラーが出力された。せっかくのエラーだが、デバッグのヒントにならない。
- センサー端末を設置しようとしたが、電源が取れなかった。コンセントが見つかったが、200Vだった。
- 廊下が複雑に曲がっていたりすると、電波が止まってしまう。
- 逆に、ブルートゥースが飛びすぎる。セキュリティ的にどうしたらいいか悩んだ。
- センサーの前に物が置かれてしまい、人のカウントが0人になってしまった。
◆ 参加してみて
すべての話が、とても参考になりました。
以下、感想を箇条書きしてみます。
① クラウド
AWSとか、azureとか、クラウドをもっと触ろうと思いました。常識として皆さん話していたので。ベンチャー的に新しい事業に取り組んでいるからかもしれないけど、自分もやろうと思いました。
② 組み込み系
代表取締役の方のビジネスの話もとてもためになったんだけど、ともかく触ってみる事は必要かな、と思いました。ラズパイとか、やってみた事ないので。
③ IoTのイメージがつかめました。
IoTって何をやるのか、いまいち分かっていませんでしたが、イメージがつかめました。なるほど、と思いました。工場の機械化ではなく、工場の様子を宅配ドライバーに伝えるとか、人とモノを繋いでいくという事。個々の登場人物の中での機械化は、既に進んでいる、という事のようです。社員の方が、交流タイムの時に漏らしていたのですが、難しい、専門的な世界ではなく、むしろ体を使う職場でIoTがマッチしている、そうです。建機もそうだし、農業で作物の状況を農家の人に伝えたりといったところにニーズがあるように思いました。
◆ まとめ
色々な技術に取り組んでみたいと思いました。一度は聞いた事がある技術がほとんどでしたし、LTも自分に理解不能な話は実はなくて、やればできるのではないか、と思えたのが大きかったと思います。これが数学の勉強会だったら、こうはいかなかったでしょう。言っている事が理解できたので、やる気が出ました。
自分が取り組む事が、イメージできただけでも、プラスだったと思います。
この機会を次の取り組みに生かしていきたいと思います。