オープンソース・カンファレンスの2日目に行ってきた。
色々見ようと思っていたが、会場の熱気に押され?、一個だけ見た。
セミナーで、TOPPERSという組み込み用のリアルタイムOSを作っているプロジェクトの話を聞いた。
[概要]
TOPPERSはオープンソースの組み込み向けOSを作るプロジェクト。TOPPERSのOSはJAXAのロケットや自動車でも使われている。こういう機器は間違いが許されないので、それだけTOPPERSの信頼性が高い事になる。TOPPERSのOSはITRONを元にしている。
[興味深かった所]
◆Androidも組み込みのうち
Androidに入っているLinuxベースのOSも組み込みのOSに入るようだ。今丁度Androidアプリを作っているが、アプリ内でViewオブジェクトをたくさん作った所、IDEに「リソース不足になる可能性有り」と警告が出た。今までWebアプリケーションやデスクトップアプリを作っていて、そのような警告メッセージを見た事はない。その事を思うと、Androidアプリもリソース制限がそれなりにある訳で、組み込み機器に含まれるのだろう。ただし、もっと小さいメモリで動いている組み込みソフトも多いようである。
◆シェア
TOPPERSのシェアは8%だそうで、「えっそんなにあるの?」と思った。JAXAのロケットとか、リコーのプリンタとかに使われているそうだから、もうそれなりに普及しているのだろう。
◆ライセンス
TOPPERSのライセンスは、商用を強く意識し、企業が使用しやすい仕様になっている。具体的には、TOPPERSを使用した事を報告する義務しかなく、派生版を作成した際にも、ソースコードを公開する義務がないのである。このため、企業はTOPPERSのOSに修正を加えて派生版を作った時にも、修正箇所のノウハウを外部に公開する恐れがない。この事により、競争相手への技術流出を懸念する事なく、企業はTOPPERSのOSを使用できる。また、企業が使いやすい事で、TOPPERSの開発に対する企業の協力が得られやすくなり、開発の促進に繋がっている。
◆教育
組み込み技術者を育てるため、ロボコンに協賛している。あと、講演した大学の教員の方が、WindowsOS上で、組み込みのリアルタイムOSをエミュレートできるソフトを紹介してて、そちらも面白そうだった。
[感想]
組み込み技術に興味があったのだが、実際にやってみたいと思った。ハードウェア、組み込みの世界にも、OSSの技術が色々ある事が分かり、参考になった。今すぐ組み込み業界に転職するつもりはないが、個人の活動として、少しづつやれたらいいなと思っている。