野狐消暇録

所感を記す

両親に抹茶を振る舞う

まだ秋のはずだけど、二三日、ダウンが必要な寒い日が続いた。前々から、実家に余っている毛布や掛け布団を送ってくれる事になっていたのだが、いよいよ寒くなってきたから、実家に電話してみた。すると、車で持ってきてくれると言う。有り難い。お礼を言って、そうしてもらう事にした。

昼前に両親は車でやってきた。毛布と掛け布団を部屋に運んでから、一緒に昼を食べに行く。近所にある美味しい料理屋さんというと、唐華とアムラパーリーが思い浮かぶが、今回行くのはアムラパーリーの方だ。これはインドカレー屋さんである。

インドカレーとナンを食べて、もう一度部屋に帰ってくる。

窓側の和室で色々と話をしているとき、奥さんが

「お抹茶を入れようか」

と言って、抹茶を振る舞うことになった。

諸々の作法は省略して、抹茶を茶筅で点てて、すぐに飲んでもらった。

ただ、一人で一杯はちょっと多いようだ。一杯を両親と自分で回し飲みする感じになった。

それで奥さんはちょっと考えたらしい。

緑茶を入れるための急須を持ち出して、ここに抹茶を入れて点てろと言う。

それはやりかねると思ったが、少し考えて、茶道で使う茶碗で先に抹茶を点て、点てた抹茶を急須に移した。

奥さんはその急須で緑茶向けの小さな茶碗に抹茶を注ぎ、二杯目を両親に振る舞った。

なるほど、そういう事もできるか。自分は抹茶は大きな茶碗とばかり考えていたが、拘らなければ、色々やり方も出てくる。

所謂茶道になるかは別にして、こうやって新しいやり方を見つけるのは、愉しい事である。