野狐消暇録

所感を記す

インド料理店

カーディガンを着た男が、新聞に目を落としている。
眼鏡を掛けている。
珈琲のように黒い肌に丸い目。

紅の布を羽織った奥さんが
向かいの席にゆったりと腰掛け
目を伏せている。

白いイヤホンが奥さんの耳まで伸びている。

奥まった端にある
小さなテーブルに
二人は座っている

二人分の食事が載りそうにない
小さなテーブルを囲んで
それぞれの時間を過ごしている