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野狐消暇録

所感を記す

大宮

 友達がどこに住んでいるのか、一度聞いたはずなのに、僕は忘れてしまう。彼は浦和に住んでいるらしいが、それを知る機会が幾度もあったにも関わらず、自分はすっかり忘れていた。ただ、大宮の方に住んでいたことは覚えていたので、久しぶりに会うに当たって、自分は「大宮で会おう」と言った。相手の地元にしたのは、僕なりの配慮である。

会うと、彼は痩せていて、ちょっとヒッピーっぽくなっていた。

「ラフですね」

「君はアキバ系だな」

僕は藍色のチェック柄のシャツを着て、ジーンズを履いていたので、彼の評は当たっている。僕は自分を言葉の上で、なるべく良く見せようと思って、

「『ネイチャー』とか、科学雑誌に載っている科学者のスナップショットで良く着ているタイプの服だ」

と言った。

「それがアキバ系だよ」

大宮には、飲み屋が多い。小道を行くとたくさんある。

つい客引きに釣られて、一軒の飲み屋に入った。ビルに入っている飲み屋で、エレベータで上がると、ちょっと洋風の空間だった。白い机が並んでいて、気の強そうな茶髪のお姉さんがいた。

お通しは、蛸わさとマカロニサラダだった。

近況やら、好きなキャッチコピーやら、ともかく久しぶりに会った友達が話しそうな事を話していた。

店は2時間で出なければならなかったので、料金を払って店を出た。一人当たり、2千円ちょっとだった。

スターバックスに入ってさらに話していると、最近思い付いた小説の筋書きの話になった。その時に話した筋書きを、この前のブログの投稿に「兄の事」という題で載せておいた。

自分は小説を書いたのは、ちゃんとそれらしい筋の小説を書いたのは初めてだったが、不思議な感じだ。文体と称すべきものがないから、これは「鑑賞に堪える」ものではないかもしれないが、僕としては、自分で書いたものなので、思い入れがある。

「なるほど」

何がなるほどなのか分からないが、書いたものを読み返していて、そう思った。