野狐消暇録

所感を記す

文学作品に出てくる子供 -「銀河鉄道の夜」から-

文学の中の子供で気に入っているのは、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」に出てくるジョバンニである。

ジョバンニはザネリにからかわれた時に、「ザネリがあんな事言うのは、ザネリが馬鹿だからだ」と考える。言わば心の中で意趣返しをするのだが、実に良く子供の心理を捉えている。

僕は子供を歴史で言う所の古代人だと思っている。

単純素朴であり、しかも原始人のような野蛮さはない。古代には古代の考えがあり、それは中世を通って、現代まで静かに繋がってくる。