野狐消暇録

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『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』を観た感想

元々、チャーチルが好きであった。かっこいいと思っていた。

ニクソンが書いた、政治家の回顧録『指導者とは』にチャーチルが「われらが時代の最大の人物」というような紹介をされていたし、チャーチルの伝記『チャーチル / イギリス現代史を転換させた一人の政治家』(河合秀和著)も読んでいて、ある程度、歴史としてのチャーチルは知っていた。

映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』は、実話に基づくとは言え、フィクションである。これはこれで観てみたかった。

実際観てみると、思ったより良かった。

チャーチルも、似せ過ぎない感じが良かった。体形は寄せているし、顔つきも似ているけど、良い意味でフィクションだった。

ちょっと気になったのは、チャーチルのライバルというか、敵役がチェンバレンハリファックス外相なのだが、本当に映画で描かれたように、彼らの対独融和政策は誤りだったのか、という点である。現在から振り返れば、対独戦争で英国を率いたチャーチルが英雄なのは分かる。しかし、当時の判断としてどうだったのか?

また、ラストシーンでチャーチルは自身の徹底抗戦路線に議会の賛同を取り付けるが、その議会の熱狂が議論の正しさを裏付ける訳ではない。熱狂と言えば、ヒトラーも熱狂を引き起こす事に成功していたのである。

結局、あまり映画の世界と現実を安易に結び付けても良くないという、つまらない結論が待っているだけなのであるが、事実を元にした映画だけに、「現実ではどうだったのか」という関心を呼び起こすところがある。

事実の映画への反映という点では、チャーチルが常に演説の原稿を用意していたのは史実である。チャーチルが演説の原稿を作る場面が映画で多く出てきて、ちゃんと調べて作っているな、と思った。チャーチルは回顧録を書いているし、おそらく自分の気付かない、知らない史実も、たくさん映画に反映されているのではないかと思う。

これは映画を観たあと、ブログに書かれた批評を読んでいて気付かされたのだが、確かにセットもなかなか良かった。国王の部屋は豪華だし、街中の様子もちょっと出てくるだけだが、上品に描かれていて良かった。全体的に、画面が上品だったように思う。

「私たちは、街で、浜辺で、丘で戦う」とか、「自分が捧げられるのは、血と労苦と涙と汗だけだ」とか、お馴染みの演説も出てきて、チャーチル好きは、「ここで出てきたか」と思うだろう。「血と労苦と涙と汗」はすっかり忘れていたが、「街で、浜辺で、丘で戦う」は、「いつ出てくるだろうか? ラストかな?」と考えながら観ていた。この映画とは関係ないが、東西冷戦の時の「鉄のカーテン」はチャーチルの言葉らしい。やっぱり、文学的なところが、チャーチルにはあったのだろう。

自分としては、観て損がない映画だった。

人に薦められるかと聞かれれば、こう答える。

チャーチルが好きなら観よ! そうでなければ、君に任せる!」

『メグレと老外交官の死』を読んだ感想

メグレ警視シリーズは大好きである。出会ったのは、自分がまだ二十歳頃だったろう。自分は、ちょっと草臥れた、それでいて犯人を捕まえる名警視であるメグレが好きだった。メグレは奥さんを愛していて、二人で仲睦まじく暮らしていたが、その様子は華やかなというよりも、しっとりした感じであった。

メグレは捜査中、良くアペリチフを飲んだ。自分はお酒を飲まないので、それがどんなお酒か分からないが、食前酒という意味だそうだから、軽い、ワインのようなものかもしれない。事あるごとに酒を飲むメグレも、なかなか魅力的であった。

小説の中身は、市井の人々の暮らしの中で起きた事件を捜査する中で、関係者の人生が浮き彫りになるという趣向であった。しかし、二十歳の頃の自分は、専らメグレ警視の魅力に惹かれていたように思う。

最近、kindleメグレ警視シリーズが安く売られているのを見つけて、久しぶりに読んでみた。最初に読んだのは、『メグレとベンチの男』で、次に読んだのが今回感想を書く、『メグレと老外交官の死』である。

 

あらすじを紹介すると、まず、老外交官が死ぬ。この外交官の死の真相をメグレが追うのだが、調べていくと、老外交官が上流社会のちょっとした有名人であった事が分かる。それは、外交官が、人妻と恋をしており、もう長い間、恋文のやり取りを続けていたためである。その事は、上流社会の中では周知の秘密になっていて、人妻の夫もこの事を承知していた。外交官はお金がなかったため、家柄のある恋人を妻に迎える事ができなかった。恋人は止むを得ず、今の夫と結婚した。外交官と恋人は手紙のやり取りを続けたが、それが他愛のない、子供の文通のようなものである事を知っていたので、夫はその文通を許した。

メグレは、この童話のような話に戸惑いを覚える。このような世界を実際に生きている人にリアリティを感じられなかったのだ。

メグレは捜査を続け、最後には事件の真相を掴み、事件は解決する。

事件は、メグレが信じられなかったにしろ、昔話のような世界を実際に生きている人達が、自分達の世界観に於いて行動した結果、起きた事だったのだ。

 

自分がこの本を読んで感じたのは、メグレ警視の魅力ではない。この小説は、徹底して人間への関心に基づいて書かれているという事である。メグレ警視も、殺人事件も、人間観察を描くための装置に過ぎない。この小説の関心は、一時代前の、古い時代の夢を今もなお生きている人への関心にある。

そういう人が、時代のリアリティからずれていて、もう現在を生きている人が共感できる枠の外にいるにしても、その事は彼らがいてはいけない事にはならない。彼らは自分達の世界で確かに生きている。この小説は、メグレの目を通して、そういう人がいるという発見を描いている。

小田急線が複々線化された

小田急線には、良く乗っていた。

高校生の頃から乗り始め、大学でも乗っていたから、7年間も乗っていた。

小田急線で通学しているとき、片道1時間ぐらいは乗っていたから、大抵本を読んでいた。内田百閒の全集を図書館で見つけ、一冊一冊よんでいた。

久松真一の全集本も良く読んだ。特に、『茶道の哲学』は、茶道の稽古に行く前に良く読んでいた。

小田急線は良く停止した。理由は分からない。前に電車が停止しているというアナウンスがあった気もするが、あまり気にしないようにしていた。本を読んでいれば、時間の無駄ではないと思っていた。しかし、嫌がっている人は確かにいた。小田急線は停まる、なんでだと言って不満を述べていた。

その小田急線が複々線化されるという。

www.nikkei.comこのニュースを聞いて、長年やっていた工事がこれだったかと思うと同時に、これだけ長い時間をかけた工事が完成し、関係者はとても嬉しいだろうと思った。

上記の記事中に「複々線化は1964年に計画し、89年に着工した」とあるから、工事期間だけでも、29年かかっている。

踏切を不要にする取り組みも同時に進め、こちらは東京都の事業だったようだが、これも同時に実現した。

3月17日から新ダイヤで運行するというが、実に以下のような効果がある。

  • 運行本数が増える。
  • 所要時間が短縮される。
  • 車内の混雑が緩和される。

以下に小田急による詳しい説明がある。

www.odakyu.jp動画による説明も分かりやすい。

www.youtube.comこれだけ効果の大きい、手間のかかる大工事を完成した技術者は、どれだけ爽快だったろうか? きっと爽快だったに違いない。大きな満足も味わったのではないだろうか?

僕も、そういう満足を感じる事がプログラムを組んでいる時にあるけれども、こんなに大きな仕事は当然の事ながら、したことがない。

こういう時に使う言葉ではないが、壮挙という感じすらする。今度実家に帰る時には、新宿駅から小田急線に乗ってみてもいいかもしれない。横浜経由で帰ると、海老名-本厚木間しか小田急線に乗らないから。

数学の勉強を始める

世の中に出て後、生活に追われ、ゆっくりと書物を紐解く暇も無く、ただ時間だけが過ぎてしまったが、プログラミングを学んでから、芸は身を助くとの言葉通り、いくらか仕事が軌道に乗り、休日に仕事以外の本を読むだけの余裕を得たので、かねてから希望していた数学を学ぶ事にした。

まずは線形代数に手を付ける事にして、忙しかった頃に購入し、棚で埃を被っていた数学書を取り出し、最初のページから読み始めたが、ところどころ分からないところはあるものの、思っていたほど行き詰まる事も無く、次々に読み進められて、意を強くしている。

考えてみれば、まだ解かれていない数学の難問に挑む研究者ならともかく、自分のように先人の足跡をひとつひとつ辿る人は、すでに解かれている問題の解き方を辿るのだから、行き詰まると考える方が誤っている。

ではなぜ難しいと思い込んでいたかというと、それには次のような理由があると思う。数学書は積み上げ式になっており、随筆や俳句を読むように、パッと開いたところから読む事はできない。必ず自分が理解しているところから始めて、少しづつ理解を深めていくのであり、理解していないうちに先のページをめくってみても、ほとんど何を書いてあるか分からない。チンプンカンプンであるといって良い。だから、まだ理解していない数学書を斜め読みして、その中身を類推した時には、とても難しい事が書かれているように思われる。この事が理由になり、自分は龍を前にした鼠のように、読んでいない数学書を恐ろしく感じ、難しいものと決めてかかっていたのである。

さて、先ほど芸は身を助くとの俗諺を引いたけれど、数学を一芸にして、お金を稼ぐ事もできるかもしれない。数学の先生や研究者はもちろん、自分の専門のIT技術に於いても、数学が生かされている分野は多そうだ。現に今話題になっている機械学習の技術では、統計学が生かされていると聞く。そのような分野の技術が分かるようになって、お金を稼ぐ事ができれば、数学は糊口を凌ぐ助けになる。これは今のところ、捕らぬ狸の皮算用とでも言うべきであって、何のあてもないふわふわした空想であるが、明るい未来を空想するほど愉快な事はない。その未来には望ましい成果ばかりがあるからだ。とはいえ、自分は現実を忘れて、空想ばかりしているのを良しとしている訳ではない。ただ、数学の勉強の励みとして、そのような空想をしてみるのである。

固くて開かない瓶の蓋を開けるには、栓抜きを使うと良い。

こんな感じで栓抜きを使い、蓋と本体の間に隙間を作るように、瓶を回しながらちょっとづつ力を入れる。

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回しながら、蓋と瓶の間を広げる。

蓋がやや歪むし、蓋に傷もつくが、それでも良いという方はドウゾ。

青島日記 (2017/12/29 - 2018/01/08)

2017/12/29

前日は会社の納会。休みに入ってすぐに中国に発つ。五時半に起きる。スマホの充電器を旅行鞄に入れる。ブレーカーを落とす。六時に家を出る。京浜東北線鶴見駅の改札に入る。スマホで調べると、京急線鶴見駅から乗ったほうが良いらしい。京浜東北線の改札を出て、京急線に向かう。飛行機の発つ二時間前に羽田空港に着く。手続きを済ませて搭乗。一安心。韓国のソウルで乗り換え。電車で金浦空港から仁川空港へ。殆ど時間の余裕はない。モスバーガーを見つけたが、買う余裕がない。飛行機で仁川空港から青島へ。ここに至ってようやく安心。後は空港を出るだけだ。これは簡単。出口でかおりと弟の飛さんを見つける。

弟の子のザザもいる。可愛い。
ココナッツジュースを買う。ココナッツの実を丸のまま使って、実の中にココナッツジュースを詰めたもの。
飛さんの家で夕食。美味しい。
夕食後、買い物。コートとインナーを買う。パーカーも買う。
出見世がたくさん。カメラがなくて残念。
 

2017/12/30

朝は、近所を散歩。スーパーマーケットに行く。セーターとズボンを買う。買った金額が一定を超えると貰えるお土産を貰う。茶碗と箸。中国の箸は太さが一定である。先に行くに従って細くなる日本の箸とは異なる。

茶碗は底が浅い小さな碗で、日本の御飯茶碗と比べると小さい。
かおりの風邪が悪くなる。ふらふらすると云う。かおりの具合が悪いからという理由ではないようだが、かおりの弟が車でスーパーマーケットまで迎えに来てくれる。
家に着いたら、昼を食べる。かおりは漢方薬を飲む。かおりと自分は昼寝をする。
二時間ぐらい寝る。午後の六時前にかおりのお姉さんが子供を訪ねてくる。お正月だから来たようだ。まだお腹が空いていないが、夕飯を食べる。中国の食事はお皿がたくさん並んで、好きなものを好きなだけ食べる。これは合理的だ。
みんなで出掛ける。ゲームセンターで遊ぶ。子供が、トト、ザザ、ズンスア、ノアノアと言う訳で、子供がたくさん。
出掛けたのが夜だったから、だんだんお店が閉店になる。
帰る。
23時過ぎだが、みんなまだ起きている。
ザザとトトがベッドに来る。僕とかおりがいるので、一つのベッドに四人。夜寝るスペースが無くなって、僕は床で寝たり、ベッドの端で寝たり。
 

2017/12/31

朝は遅く起きる。九時頃、リビングに出る。

朝御飯。11時過ぎにみんなで出掛ける。一時間ぐらい車に乗って、中山公園に行く。中山は、孫文のこと。遊園地で遊ぶ。年甲斐もなく、色々な乗り物に乗る。車の中で酔い掛けていたが、遊園地の乗り物で酔う。僕が大人代表みたいな感じでトトやザザと一緒に乗り物に乗って遊ぶ。
遊園地を後にし、大きなデパートへ。この時点で乗り物酔いが酷く、とても何か食べられる感じではなかったが、お腹は減っている。色々食べる。わりと炒飯が美味しい。色々並んでいるのに、サッパリしたものがない。
帰る頃、やっとお腹の調子が持ち直す。帰りの車でぐっすり寝る。起きたら頭もすっきり。
 

2018/01/01

かおりのお姉さんの旦那さんが来るらしい。昼過ぎに車で出掛ける。2つの車に分乗。途中で、お姉さんの旦那さんと合流。お昼ごはんを食べる。とても美味しい。前に一度来たことがある。ゲームセンターに行って遊ぶ。クレーンゲームやレースゲームをして遊ぶ。

帰りにまた食事。お姉さん家族は南山旅館に泊まるので、ここでお別れ。残りの家族で一つの車に乗るが、一つのセダンに八人で乗るのですし詰めになる。大笑い。家に着いてから、今日が1日と知る。
 

2018/01/02

今日からザザは幼稚園に行く。

僕とかおりは、かおりのお母さんと一緒に漢方のお医者さんに行く。かおりの弟の飛さんに車で送ってもらった。
院に着いたが、誰もいない。午後二時まで昼休みのようだ。順番の札を貰って、昼を食べに行く。
羊肉のお店で羊肉のスープを飲み、餅を食べる。バスに乗って院に戻る。かおりの体を診てもらう。古い建物だが、評判が良いらしく、大勢の人が集まっている。
一時間ほど待って診察。脈をとる。片方の腕で一分近くも診ていた。
両腕で脈をとる。医者は初老の禿げかけた男で、白衣を纏っている。人差し指、中指、薬指の三本の指をかおりの脈に添える。
そのままじっと様子をみている。
薬を貰う。今までは液体の薬だったが、今度は粉薬。風邪にも効くという。かおりは風邪をひいている。
帰りにスーパーマーケットに寄り、食材を買う。梨、小さな蜜柑、柿、バナナ、チョコレートやクッキーなど。こんなにたくさん買って良いのかと思ったが、考えてみれば、今家には、かおりの両親、弟夫婦、弟夫婦の二人の子、僕とかおりという訳で、八人いる。
スーパーマーケットを出るとき、トイレに寄ったら、古いトイレで、小便器の下の配管から、小便が漏れて困った。小便をするそばから足元に小便の水溜りが広がるのである。
家に帰ると、ザザがいた。
夕食を食べる。
 

 2018/01/03

今日は暇だった。朝御飯を食べてから、かおりと一緒に近くで行われている市に行く。全部量り売りで何でも売っている。かおりはどんどん買う。買ってすぐに食べたパンが美味しい。かおりがいつも云う、餅である。
干菓子、パイナップル、鴨の卵、梨、焼いた餅、小さな蜜柑などを買う。
かおりがスーパーにセーターを返しに行く。青島では、仮に買っておき、似合わなかったら返す事ができるようだ。このセーターの場合は、一週間以内だったら、返せるみたいだ。
かおりを待って、二人でマンションに帰る。荷物が多くて、なかなか大変だ。
帰って昼を食べて寝る。二時間ぐらい寝ると、もう夕方になっている。
ザザが幼稚園から帰ってきていて、ザザと遊ぶ。玩具は、以下だ。
・この前に行ったゲームセンターで貰ったスーパーボール
・ブルーベリー
ブルーベリーは、両手を握って、どちらの手にブルーベリーが入っているか当てるゲームに使う。
このブルーベリー当てゲームを飽きずにザザはずっとやるので参った。全然飽きないのである。同じゲームを延々とやる。
途中でかおりに代わってもらったが、ともかく飽きないので困った。
わざと間違えて、大袈裟に「しまったー」と残念がるとザザは喜ぶ。
夜は昼間に寝てしまったから眠れず、Kindleで本を読む。ずっと寝れない。深夜零時を過ぎてやっと寝れたようである。
 

2018/01/04

青島の歴史的な地区へ行く。メンバーは、自分、かおり、飛さん、かおりの両親である。

写真を撮りまくる。ドイツ風の建物。八大関。海岸にも行く。昔、青島でオリンピックが開かれたらしく、その時の看板もあった。
台東にも行く。屋台が美味しい。特にモツの煮物?が美味しい。外はとても寒い。えのき茸の串焼きを食べたから?急に寒気がする。じっとしていると良くなる。慌てて帰る。家で寝て治す。
 

2018/01/05

暇だが、かおりの風邪がまだ良くないので、外に行きにくい。Kindleに入っている本を何度も読む。数学の本でも持ってきて、一生懸命やれば良かったかしら。そろそろ、日本に帰りたい。

午後の五時頃から出掛ける。スーパーで買い物。ケンタッキーのお店で飛さんを待つ。僕らの家族は誰もケンタッキーの商品を頼んでいない。かおりに聞くと「大丈夫」とのこと。飛さんの仕事が八時頃終わり、マッサージを受けに行く。New Star SPAという韓国系の店。風呂に入って体を洗う。ちょっとトレーニングマシンを使ってみる。明月館というレストランで韓国料理を食べる。何とも辛い。
飛さんと五目並べ。一勝二敗で負け越し。上の階でマッサージを受ける。爪まで切ってもらう。足と頭のマッサージ。かおりも受ける。
そのままマッサージを受けた台で寝る。
 

2018/01/06

朝の五時頃起きると寒気がする。頭も痛い。風邪を引いたらしい。

もう一度風呂に入る。
二度寝して起きると11:00時。11:30から帰り支度をする。外で食事。ザザが店の外に行ったので、安全のため自分が一人で追い掛ける。ザザと遊んでいると、ザザがトイレに行った。途中で個室の戸を開けてザザが何か言うが、分からない。二人でレストランに帰るとかおり達家族がいないので焦る。かおりとエレベータのそばで再会。ゲームセンターに行ったと思ってそちらへ行ったらしい。ザザは、尻を拭く紙が無いと訴えていたらしい。みんなでゲームセンターに行く。僕は体がだるく、頭が痛いのでグロッキー状態。しばらく遊んでいると、飛さんが合流。みんなで帰る。途中で孔子を祀った公園に寄る。スマホの電池切れで写真が撮れなくなる。すごくいい公園だと思うけど、早くマンションに帰りたい。見学して帰る。すぐにパジャマに着替えて寝る。夕飯のあと、パブロンを服用。
 

2018/01/07

弟さんの運転で出掛ける。

北京オリンピック記念の公園。ザザやかおりと写真を撮る。
ザザと追いかけっこをして遊ぶ。
お土産のお菓子をたくさん買う。
そろそろ、帰国の準備。諸々旅行鞄に詰める。
夕方に親戚の御宅を訪問。しばらく歓談して帰る。この時、スーツで訪れようとするが、ワイシャツが無いことに気がつく。出掛けの時の事で、かおりが「ゆうゆうがワイシャツを無くした!」と非難するので閉口する。青島で服を買ったとき、そのまま着て帰ったが、店員が脱いだワイシャツを渡し損ねたらしい。
かおりが夜、炊飯器の使い方を聞いてきたので、教えながら予約機能を試す。
 

2018/01/08

朝、六時頃目が覚める。雪が降っている。昨日のうちに準備しておいた服を着る。弟さんの運転で青島国際空港へ行く。かおりとお母さんも見送りに来てくれる。雪の影響による遅延はなく、予定通り出発。出発時に書く書類を書き忘れていて、焦ったぐらい。Departure Card? 韓国の仁川空港に到着。だいぶ乗り換えまでの時間に余裕がある。FreeWi-Fiがあったので早速使う。海外インターネットで一万円の請求があって驚く。30Mの通信費とショートメッセージ代。持っていたウォンをホットドックとミネラルウォーターに使う。飛行機に乗って成田空港へ。途中で有料の食事があった。注文した人だけ配られたようだが、自分も配られる。注文するタイプのチケットを買っていたようだ。
成田空港着。バスが面倒で電車に乗ったが、なかなか時間がかかる。10時すぎに家に着く。つけ麺を外で食べる。11時頃、かおりに微信で連絡。少し起きていると寒気がしたので慌てて寝る。
 

その後

ウイルスもしくは細菌が原因と思われる腸内炎に罹患し、2日会社を休んだ。まだ転職して間もないから、有給休暇がない。正月始めも含めて、4日も欠勤してしまった。月末の給料明細でがっかりしたが、働いていない以上、仕方がない。

2018年の初釜 於 日本大学文理学部茶華道室

四十何年ぶりの寒波とかで、とても寒い日だった。11時半頃に家を出て、日本大学文理学部に向かった。途中、井の頭線渋谷駅のホームにあるキヨスクでおにぎりとレモンジュースを買い、軽く腹ごしらえをする。明大前で降りて、京王線に乗り換える。学生時代の四年間、通い慣れた道だけあって、今でも乗り換え先のホームをそらで覚えている。明大前駅の構内には京樽という巻き寿司を売る店があり「ここでお昼を買えば良かったか」と後悔したが、ゆっくりと食べている時間はない。

京王線高井戸駅で電車から降りた時には、初釜の受付開始時刻の10分前だった。大学まで続く商店街を歩く。知らないうちに、新しいラーメン屋さんができている。商店街を抜けて、大学の敷地の外に着いたら、歩いてきた道を左に折れ、裏口に向かう。裏口から大学の敷地に入る。空は良く晴れて、先日の大雪の名残りの雪が、あちこちに寄せられている。

サークル棟の2階に上がると、すぐに受付があった。名乗っていないのにすぐに客と気付いてくれ、芳名帳に名前を記す。学生もスーツだが、自分も着物がないからスーツである。コートをクロークに預けてサークル室に入る。奥の一間が待合になっていて、今日だけ緋の絨毯が敷かれている。今部長をされているK君が挨拶してくださったので、絨毯に座ってしばらくしてからK君を呼び、持ってきた物を渡す事にした。

 

持ってきた物というのは、アーモンドとピーナッツである。アーモンドは殻付きのもので、甘い味が付いている。ピーナッツは殻なしで、やはり甘い味付けである。これらの木の実は両方とも、中国の山東省にある青島市で購ったものである。

なぜ青島市で買った木の実を自分が持っているかというと、理由はこうである。

妻が調子を崩して、お母さんがいる中国に帰り、静養する事になった。それが12月の初めの事である。自分も年末年始の休みに入ると、飛行機で青島市に渡った。妻の調子はもう大体良くて、正直中国に帰る必要もなかったかもしれないが、お母さんが心配されるので、それで帰ったところがある。

それで結局、ドイツ租借時代の街並みを観に行ったり、二人で近くの市場に行き、買い物をしたりして過ごした。そうやって青島を見て回るうち、量り売りで売っているアーモンドを買い、袋で売っていたピーナッツも買ったのである。

さて、正月過ぎに日本に帰国し、初釜に行く事になったのだが、お茶会に行くとなると、身内で開く初釜とはいえ、先輩としてお祝いをいくらか包むべきところである。しかしこのところ、懐が寒い。そこでどうしたものかと考えて思い付いたのが、前述のアーモンドとピーナッツである。お茶会の朝、妻が袋に詰めたアーモンドとピーナッツを渡してくれたのだが、その時「皿も持っていくか?」と妻に聞かれた。

それは全く思い付かなかった。多分茶道研究会には、お菓子を出す皿があるだろうとは思った。何しろ、茶道にはお菓子がいつも出てくるのだから、皿がない筈はない。しかし、それは主菓子を乗せる皿だからな、普通のお菓子を出す皿はそんなにないかもしれない。

それで皿を用意する事にした。最初、家で餃子を乗せたりしている薄い皿を妻が用意しようとしてくれたのだが、いい事を思いついた。昔働いていた会社の懇親会のゲームで貰った、ロイヤルコペンハーゲンの皿がある。これはなかなか良い皿だと思っている。デザインもうるさくなくて、割合に上品だ。 

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会社の懇親会で頂いたお皿

この皿を持っていき、ここに木の実を盛ったら良かろう。みんな茶道研究会のメンバーなのだから、多少皿などにも気を使う人だろう。そう考えると、ちょうど良い。

それで話を元に戻すと、部長のK君にお土産を渡そうとして、「先日中国に行ったんだけど、そのお土産があるんだ」と言い、続いて持ってきた袋から皿を取り出した。これがいけないといえばいけなかった。見ていた部員が「おお」と言って喜んでしまったのだ。どうにも言い出しづらかったが、「これはお土産じゃないんです」と言って、後からアーモンドとピーナッツの包みを取り出して、K君に渡した。

みんなアーモンドとピーナッツを食べてくれ、美味しいと言ってくれた。殻付きのアーモンドは日本では珍しいし、アーモンドやピーナッツは塩味が当たり前で、甘い味付けも日本では見ない。それで大したものではないんだけど、異国情緒だけはそれなりに備えていて、お土産としての役割を果たしてくれた。

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戌年という事で、待合に犬の色紙が飾ってある

N先生にご挨拶して、ずっと茶道研究会を指導している、先輩のIさんにご挨拶。N先生の着物の柄が気になって、褒めていいのか考えて、褒めないでおいた。僕なんかが着物を褒めると、馴れ馴れしいし、却って失礼になりそうである。I先輩はまだ歳が近いから、後で「これは菊ですか」などと聞いてみた。なんでも、一年中着られるように、色々な花をあしらってあるそうである。

一席お茶を頂いて、せっかくだから、もう一席入った。客はOBや卒業生、在校生などである。いわば身内のお茶会なので、ざっくばらんとしたもので、席の間も色々な世間話が出る。隣の待合とは襖一つを隔てているだけなので、待合の話まで聞こえてくる。僕も最初は流石に茶席なのでどうかと思っていたが、ついつい最近転職した時の面接の話などをしてしまった。

それはそれで、和気藹々として結構だし、何も止めるつもりはないのだが、黙々と茶を点てる亭主と、決して笑わない半東が何とはなしに気になり始めた。どう思っているのか。別に怒っているはずはないが、普通、客と亭主の在り方が、ここまで離れてしまったら、亭主がキレていてもおかしくはない。作法通り進めると、亭主と半東は何も話さない事になっているから、それで話していないだけだとは思うが、気になる。

それに、茶道の雰囲気というのも、やっぱり徐々に壊れてきているのかもしれないと思った。つまり、あまり賑やかだと、茶道的ではないのである。もっと静かでなければならない。和敬清寂と言うが、ここには「寂」の一字があるではないか。

そんな小難しい事を久しぶりに考えているうち、茶席が終わった。足の痺れが取れると、自分はあちこち写真を撮った。この行為は所謂道具茶というヤツで、あまり上品ではないかもしれないが、SNSに写真を上げる習慣が付いてしまって、ここでも何枚か写真に収めた。

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お正月の飾りが付けられている。

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正面から見たところ

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独楽繋ぎの炉縁

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香合も犬だった。可愛い。

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椿が活けてある。

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茶道研究会ではお馴染みの「松樹千年緑」

高級品はないけれど、懐かしかったので、自分には楽しかった。
またしても言い出しづらかったが、K君に言って木の実を盛っていた皿を返してもらい、そろそろと思って、お暇した。皿は置いてこようかとも思ったが、妻の許可を貰っていないので止めておいた。

しかし、賑やかな初釜だった。部員が多い方がやっぱりいいなと思った。しかし、障子から畳から、随分傷んだものだ。備品として大学が交換してくれるなら頼んだら良いし、ダメなら畳はともかく、障子ぐらいは交換できそうだ。物を大切にするのも茶道のうちだが、セロハンテープで補強した障子は、やっぱり張り替えた方が良いだろう。

部長のK君と半東の方の雰囲気が、かつての自分達に重なって面白かった。誰がやっても、あんな感じになるのかな。それが茶道の力なんだろうか?